『散る桜、残る桜も散る桜』 父祖の思いを受け継ぎ、次の世代へと伝えたい
【始めに】
体調を崩してしまい、ずっとブログを更新出来ずにおりました。先月は手術後初めて大きな心臓発作が起きて、救急車で病院へ運ばれました。幸い大事には至らず、数日入院しただけで退院することが出来ましたが、その後すぐに風邪を引いて寝込んでしまいました。体がしんどい時は、体を動かすとまた発作が起きるんじゃないかという不安感が湧き上がり、動くのが怖くなります。
今は大分体調も良くなりましたが、まだ本調子ではありません。ブログの更新は相変わらずのスローペースになると思いますが、これからも宜しくお願い致します。

管理人 spiral



今回も、前回に続いて夫婦別姓について取り上げます。『祖国と青年』3月号より、高橋史朗氏のインタビュー記事を引用します(インタビューは、2月15日に行われました)。
高橋氏のお話は、単に夫婦別姓にとどまらず、子供を取り巻く環境や、育児、ジェンダーフリー、教育政策など多岐にわたっており、学ぶ所が多かったです。長い文章なので、2回に分けて記事にしていきます。

高橋史朗氏
高橋史朗(たかはし しろう)
昭和25年兵庫県生まれ。埼玉県教育委員会委員長等を経て、現在、明星大学教授・大学院教育学専攻主任、感性・脳科学教育研究会会長、NPO法人師範塾理事長、一般財団法人親学推進協会理事長、親学会副会長などを務める。



子供の幸福を無視した夫婦別姓導入に反対する

■「家族の絆」が重視される今、なぜ夫婦別姓なのか

―――千葉法相は昨年末、選択的夫婦別姓導入のための民法改正について、「法案の整備は『いつでも』というところまで整っている。できるだけ早く提案したい」と述べ、法務省はこの三月にも法案を閣議に提出し、通常国会で成立させようとしています。「親子別姓」をもたらし、家族の絆を壊す夫婦別姓法案の国会上程は何としても阻止しなければなりません。

本日は、かねてより子供の教育の視点から夫婦別姓に反対されている高橋先生にお話を伺います。

当初の民主党案では別姓を選んだ夫婦の複数の子供の姓が異なることを認めていましたが、現在の法案上程に向けた動きをどのようにご覧になっていますか。

高橋 千葉法相は、「家族の一体感が失われる」との批判を少しでも和らげ、法案成立を優先させようとしているのでしょうが、複数の子供の姓と統一したとしても、子供がどちらの姓を取るかによって、当然そこに夫婦同士の揉(も)め事が起こる可能性があります。親子別姓の家族ができることに変わりはないわけで、問題の本質は変わりません。

そもそもこの問題は、子供の立場を第一に考えなければなりません。児童の権利条約には、「児童に関するすべての措置をとるに当たっては、公的若しくは私的な社会福祉施設、裁判所、行政当局又は立法機関のいずれによって行われるものであっても、児童の最善の利益が主として考慮されるものとする」(第三条)と謳われてはいますが、実際には子供のことを考えずに、親の都合や大人の権利でしか進められていない施策が多く、夫婦別姓などその最たるものです。

安倍内閣時の平成十九年二月、政府は「子どもと家族を応援する日本重点戦略会議」を設置し、「家族の絆、地域の絆再生」という大きなテーマを掲げ、私もその委員として、積極的に発言しました。そして、現在、鳩山首相は「絆のある社会を」というキャッチコピーを使い、自民党の谷垣総裁も「絆」を言い、国をあげて「家族の絆」「地域の絆」の大切さを強調していますが、「家族の絆をどう再生するのか」というのが今の時代の大きな流れです。

十二月七日付の毎日新聞、日経新聞に掲載された記事で、大阪大学の研究グループが、「子供の学力を左右する要因には三つある」という調査結果を発表しました。従来、子供の学力は、「親の経済格差」や「都会と田舎の格差」に左右されるとよく言われていたのですが、年収などの経済的要因よりも「繋がりの格差」こそが大きいとし、「持ち家率」「離婚率」「不登校率」の三指標をあげました。それは、持ち家率が高いほど、逆に離婚率及び不登校率が低いほど、その都道府県の子供たちの学力は高くなるというもので、持ち家率が高いということは数世代にわたってその地域に住み近隣の人々との付き合いが密であることなどから「地域との繋がり」の豊かさを示し、離婚率は「家族との繋がり」の、不登校率は「学校との繋がり」の希薄さを示しています。子供と保護者や先生の信頼感、地域の支えなど、「繋がりの回復」こそが学力向上の打開策となるという結果は注目に値します。

一方で、十二月六日、全ての新聞が一面トップで報じましたが、内閣府の団共同参画社会に関する世論調査で、「結婚は個人の自由だから、してもしなくても良い」と回答したのが七割(二十歳代は九割)に上り、「子供を持つ必要はない」と回答したのが二十歳代で六三%、三十歳代で五九%にも上りました。「結婚や子育てというのは、自由を奪われ、自由を束縛する」という考え方が若年層に着実に広がっています。

家族の「絆が大事」などと民主党は言いながら、実際にやろうとしているのは、二万六千円の子ども手当や高校教育の無償化など結局は「バラマキ」で、損得という「経済のものさし」によって「幸福のものさし」を見失わせて親心を喪失させ、家族の絆を裂くような政策になっている。「子ども手当」と言いながら実際にそれは「親手当」であって、その財源は膨大なものになりますが、そのつけを将来背負うのは子供です。親の為にはなっても、本当に子供の為になるかというと甚だ疑わしい。今、実際に保育料を払わなかったり、給食費を払わない親もたくさんいます。中にはベンツに乗っているのに給食費を払わない親もいる。そういう親に「子ども手当」を出したら、必ずしも子供の為にはならない。「子供の為」「子供の命を守る」ということを鳩山首相は繰り返し述べていますが、本気で子供の為というならば、発想を転換しなければいけません。

夫婦別姓の問題も一番根本の問題は、「家族の絆を大切にする」と言いながら、家族の絆を崩壊させる方向に動いているという点にあります。夫婦別姓を考える際に一番大事なのは、「子供にとって」という視点です。勿論、夫婦別姓が出てきた背景には、女性の社会進出や女性の権利という観点があるわけですが、家族の絆というものが大事になっているという時代の要請から、特に「子供にとってどうなのか」という視点に立って議論しなければならないと思います。

■世界一孤独な日本の子供たち

―――現在の子供を取り巻く家族の現状について詳しくお話ください。

高橋 例えば、日米中韓の中高生を対象とした国際比較調査がありますが、「親を全く尊敬している」と答えた中学生は、日本は二〇%、アメリカは六三%、中国は六七%です。また、「親は私を大切にしてくれている」という質問に「全くそう思う」と答えたのは、日本は三六%、アメリカは八一%、中国は八二%です。

高校生を見ると、「父親は私の教育に全力を注いでいる」と答えたのは日本は二〇%、アメリカは五〇%、中国は三五%、韓国は三八%です。このように日本の子どもから見た親との関係性は非常に低い。

渡辺京二氏著『逝きし世の面影』(平凡社ライブラリー)には、江戸末期に日本に訪れた外国人の「日本は子供の楽園」で、「日本の子供は世界一礼儀正しく幸せに暮らしていた」との声を紹介していますが、これは約百五十年前の日本の姿です。しかし、二〇〇七年にユニセフのイノチェンティ研究所が十五歳の子供を対象にした幸福度調査を実施した結果、「孤独を感じる」と答えたのは日本が二九・八%でダントツ、二位はアイスランドで一〇・三%、以下はフランスで六・四%、ドイツで六・二%、イギリスで五・四%などで全て一桁でした。日本だけが極端に孤独感が強いのは、「家族の絆が失われている」ということです。日本の子供たちは一番家族の温もりを失ってしまっている。このことをマザー・テレサは日本における講演で次のように語っています。

「アフリカの国々が滅びるとしたら貧困が原因だろうが、日本は心が原因で滅びるでしょう。日本人はインドのことよりも日本の国内の心の貧しい人々への配慮を優先して考えるべきです。愛はまず手近なところから始まります。誰からも必要とされていない貧しさこそ、一切れのパンの飢えよりももっとひどい貧しさと言えます。豊かな日本に心の貧しい人がたくさんいる。それに気づくことさえできない人もいる。愛はまず家庭から始まります。まず家庭の中から不幸な人を救いなさい。夫婦が愛し合い、母親が家庭の中心となりなさい。自分の家庭が愛に満たされなければ隣人を愛することはできません」

モノに飢えているアジアやアフリカのストリート・チルドレンよりも、心や愛に飢えている日本の子供の方が不幸であるというのは、「心の絆」が失われているからです。先程のユニセフの幸福度調査の他にも子供の幸福に何が関係がるのかという様々な調査が行われているのですが、それで分かったのは、「経済力と幸福は関係が無い」ということです。お金があれば幸せだと思いがちですが、世界価値観調査の二〇〇〇年度の統計で世界で最も「幸せだ」と答えたのはナイジェリア、二番目はメキシコでした。二〇〇五年度はプエルトリコが一番です。私たちから見れば非常に意外な国ですが、ニューズウイークの分析によれば、ナイジェリアの人が最も「幸せ」だと答えたのは、逆境というものが人間関係を深めているからではないかということでした。政治不安や天災などの困難や挫折、様々な失敗という不幸の連続の中で逆に家族の絆が強まっているのです。子供が家族の絆や温もりを感じている度合いが、子供の幸福感に関係しています。

数学者の岡潔氏は、「日本を支えてきたのは情だ」と言いましたが、その情の一番の中核は親が子を思い、子が親を思うという「親子の情」です。例えば、親が子を思う情は、山上憶良「銀(しろがね)も金(くがね)も玉も何せむにまされる寶(たから)子に如(し)かめやも」の和歌によく現れていますし、逆に子が親を思う情は、吉田松陰の「親思うこころにまさる親ごころけふの音づれ何ときくらん」という辞世の句によく現れています。親が子を思い子が親を思う―――そういう親子の情が日本人の民族精神の根っこにあるものですが、それが今、崩れ始めています。

今では祖父母とか社会の子育て支援力などの親を支える力がありましたが三世代同居が無くなり、父親は外で働くことで精一杯で、母親だけが子育てで孤立し、母親の負担が増えている。そこで母親がストレスがたまって、パニックになり、昔なら身につけていたはずの親力がどんどん低下しています。

そして、親力が低下して起こったのが、子供の「脳内汚染」です。「脳内汚染」とは精神科医の岡田尊司氏の本の題名ですが、地球環境の破壊よりも恐ろしいのは内なる自然破壊、つまり、子供の心や脳の破壊です。それは主に睡眠や食生活の乱れ、ゲームなどの有害環境の影響ですが、それに拍車をかけているのが親の問題です。夫婦別姓の問題は、かろうじて欧米化しないで保っている日本人の絆の最後の砦である家庭が崩されかねない点にあります。

■家族の絆、夫婦の絆は子供にとっての鑑

―――福島消費者・少子化担当相は、「夫婦別姓は選択しの拡大で、家族の絆が弱まることはない」と述べています。

高橋 そう単純にいえるものではないでしょう。つまり、「子供にとっての影響」と考えた場合、それはあります。戸籍上は同姓でも職場での便宜上、「通称」として旧姓を使うことは今でも認められているわけで、むしろ通称使用をより円滑にできる方向に改善すればよいわけですから、「選択肢の拡大」「家族の絆が弱まることはない」というのは夫婦別姓容認の根拠にはなりません。

また、よく「自分は別姓にはしないが、社会の一部に別姓にしたいという人がいるならば選択制で認めてあげてもよいのでは」という人がいますが、それは大人の勝手な論理です。子供の側から見たらどうなのかということを考えてみると、やはり別姓の夫婦の間に生まれてくる子供にとっては親子の一体感を損ねるということに繋がるし、日本人が一番大事にしてきた家族共同体を壊していくことに繋がる。これが一番本質的な視点ではないでしょうか。民間の中高生調査でも、両親の別姓を六割以上が嫌がっていることが明らかになっています。

先程『逝きし世の面影』のことを紹介しましたが、「日本は子供の楽園、日本の子供は世界一礼儀正しい」という指摘で明らかなように、約百五十年前の日本には家族の絆がしっかりあり、親が子供に手本をしまして「後ろ姿」で教えてきたということです。

やはり親が手本にならないと道徳教育も何も成り立ちません。家族の絆、夫婦の絆というのは子供にとっては鑑や手本であり、家庭は倫理の源泉、教育の原点です。今、その家庭という子供の教育にとっての土台が崩壊しつつあるわけですが、今度の夫婦別姓の導入によってその家族崩壊の流れにさらに拍車がかかることは恐ろしいことです。

ところで、法務省が推進しようとしている選択的夫婦別姓制度のように、家族の姓を同姓にするか別姓にするかを完全に自由な選択の対象としているのは、世界ではスウェーデンしかありません。そのスウェーデンについて書かれた武田龍夫著『福祉国家の戦い』(中公新書)によれば、あの国には百歳を超えるお年寄りが七百人以上もいて、「あなたの人生で最も大きな変化は何でしたか」と聞かれた際にその多くが、「家族の崩壊」を上げています。

また、アメリカの文化評論家のトフラーは、「人類の危機は核兵器よりも家族や家庭の崩壊だ」と言いましたが、家族というのは最後の砦です。その家族が崩壊してしまったら、欧米のような教育の荒廃がどんどん押し寄せてくる。日本もモンスターペアレントなどが出てきて、かなり欧米化しつつありますが、まだ家族の絆というのはかろうじて保たれています。それが夫婦別姓の導入によって一気に崩されてしまうことに繋がることを私は危惧します。

※記事中で引用されている著書

逝きし世の面影 (平凡社ライブラリー)逝きし世の面影 (平凡社ライブラリー)
(2005/09)
渡辺 京二

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福祉国家の闘い―スウェーデンからの教訓 (中公新書)福祉国家の闘い―スウェーデンからの教訓 (中公新書)
(2001/02)
武田 龍夫

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以下、次回に続けます。

※続きはこちら(↓のタイトルをクリックして下さい)
■子供の幸福を無視した夫婦別姓導入に反対する(後編)


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コメント
この記事へのコメント
Re: 本当に…
返信が遅くなってすいません。季節の変わり目で寒暖の差が激しく、体が順応できずに体調を崩しています。

>夫婦別姓を推進する政治家は、「子供の敵」

まさにその通りだと思います。子供たちのためにも、こうした政策を進めている民主党政権は打倒しなければなりませんね。

今の体調だと、すぐに続きの記事を更新するのは難しいのですが、この続きでも高橋氏は素晴らしいお話をされているので、また読んで下されば幸いです。
2010/10/19(火) 21:24 | URL | spiral (管理人) #l7AT0Hcg[ 編集]
本当に…
お身体無理なさいませんよう、お大事にして下さいね。今年の気候は予測できません。気温だけでなく、気圧の変化も体調に影響しますので、ご自愛下さいますよう…。

高橋氏のお話、まさに正論です。大人の身勝手から子供の幸せを奪ってはならないですし、親になる資格はありませんね。
以前番組で見たスウェーデンの子供達の表情は、暗く冷めたものでした。親のエゴに振り回される中、身に付けるしかなかった「諦観」のようなものが感じられ、福祉が行き届いていることが幸せではないことを、如実に表していたと思います。日本の子供達があのような表情をする日が来るとは思いたくありません。夫婦別姓を推進する政治家は、「子供の敵」と言ってよいでしょう。子供に選挙権はありません。親が、大人が、きちんと自分達の子供のことを考えなくてどうするのでしょう。あまりに刹那主義的で、それでいて、将来年老いた時に子供に面倒を見てもらいたいなどというのは、勝手というものです。

社会で、そして世代間で助け合って、支え合ってこそ、子供の笑える国でいられるのだと思います。特に女性がそれを忘れた時、亡国への道を歩み始めるのではないでしょうか。手遅れでなければよいのですが…。
2010/10/15(金) 22:12 | URL | ハハサウルス #-[ 編集]
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2010/10/14(木) 21:57 | | #[ 編集]
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