『散る桜、残る桜も散る桜』 父祖の思いを受け継ぎ、次の世代へと伝えたい
今回は、日本政策研究センター発行の『明日への選択』平成20年12月号より、民主党に関する論文を引用します。

■これが民主党の正体だ

支持団体との関係から見れば、民主党は自治労と日教組に支えられた「第二社会党」だ。

この十月、民主党は『民主党政策INDEX2008』という政策集を発表したが、そこには外国人地方参政権の付与、人権侵害救済機関の創設、選択的夫婦別姓等の早期実現、いわゆる慰安婦問題にかかわる「戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案」など、左翼イデオロギー色の強い政策項目が並んでいる。

むろん、こうした政策が掲げられるのは、それを推進する国会議員がいるからに他ならないが、議員が机の上で単に議論しただけでこれらの政策項目が出てくるわけでもない。そこには民主党の支持団体の要求、主張が色濃く反映されていると考えるのが自然であり、その関係を考えることは民主党の「正体」を知ることにもつながると思われる。そうした視点から民主党と支持団体との関係に着目し、民主党とは一体何なのかを考えてみた。

■「左翼組合依存」政党

さて、民主党にとって最大の支持団体といえば、連合(日本労働組合総連合会)ということになる。国政選挙では、民主党は連合と政策協定を結び、連合は国政選挙に民主党公認で多数の組織内候補を出している。例えば、昨年の参議院選挙比例区には連合の組織内候補が七名立候補し全員が当選している。民主党の比例区当選者は全体で二十人だから、三分の一強ということになる。

衆議院選挙でも、選挙毎に数十名の組織内候補を当選させ、現在、連合の組織内議員は民主党議員の衆議院でも参議院でも約二割程度を占めている(『生活経済政策』〇八年六月号)。その他の民主党候補も大半が連合もしくはその連合傘下の労組の推薦を受け、民主党が獲得している組織票の約半分は連合が握っているとの分析もある(前出・『生活経済政策』)。

かつて総評の組織内議員が所属議員の過半数を超えていた旧社会党ほどではないにしても、連合の民主党に対する影響力は他のどの団体より大きいと言わざるを得ない。その意味で、民主党はまだまだ「労組依存」と言えよう。
一方、連合はかつての総評と違うという見方もある。昨年の参院選を例にとると、連合の組織内候補は七名だが、その出身母体を見れば電力総連UIゼンセンは旧同盟系であり、明らかに左翼勢力と目されるのは自治労と日教組の二組織のみということになる。つまり、連合全体としての民主党への影響力は大きいとしても、日教組や自治労など左翼組合の影響力はそれほどでもないのではないか、というのである。

果たしてそうなのか。自治労を例にとると、昨年の参院選で約五十万票を獲得して民主党比例代表候補のなかでトップ当選したのは相原久美子という議員だったが、彼女は自治労北海道本部副執行委員長、自治労中央執行委員を務めた、まさに自治労の身内、組織内候補だった。それだけではなく、自治労は衆議院では仙谷由人(徳島一区)、金田誠一(北海道八区・元自治労函館書記長)、参議院の選挙区では峰崎直樹(北海道・元自治労北海道本部調査室長)、比例区の高嶋良充(元自治労書記長)など組織内協力議員を当選させ、「自治労協力議員団」も作られている。

衆議院議員は現在二人だが、これは平成十七年の民主党が惨敗した郵政選挙の結果で、その前の平成十五年の総選挙では、自治労は九名の民主党候補を組織・協力候補として当選させ、次期総選挙にも十二名の民主党候補の擁立をはかっている。すべての支持組織を調べたわけではないが、単一組織として十二名の立候補者を出せるのは自治労以外にはないと思われる。

日教組はどうか。日教組は日本民主教育政治連盟(日政連)という政治団体を作り、九名の議員が加盟している。衆議院では、北海道の横路孝弘、鉢呂吉雄の二名、参議院の選挙区では、兵庫で辻泰弘、水岡俊一(元兵庫県教組書記次長)、愛知で佐藤泰介(元愛知県教組委員長)、そして山梨では有名な輿石東(元山梨県教組委員長)。比例区では那谷屋正義(元日教組教育政策委員長)、神本美恵子(元日教組教育文化局長)の二人の八名が民主党議員である(この他に日政連には社民党所属・民主党推薦の参院議員一名が加盟している)。このなかで、横路議員は現在衆議院副議長、鉢呂吉雄議員は民主党「次の内閣」の外務大臣、輿石東議員は参議院議員会長と重要ポストについている。日教組の影響力も決して小さいとは言えない。

連合の加盟組合員数は約六百八十万人と言われている。そのなかで産業別労組の大所としてはUIゼンセン、自動車総連ということになるが、加盟組合員数は前者が約九十万人、後者が約七十万人。いわゆる組織内国会議員は前者は六名、後者は三名にすぎない(ウエブサイトによる)。

これに対して、自治労は約百万人で連合のなかで最大の組織である。日教組は組合員は三十万人だが、いわゆる組織内議員は先に述べたように八名も出している。つまり、最大の支持団体である連合のなかで、中核組織とも言えるのが自治労と日教組だと言える。

その意味で、連合を最大の支持組織と頼む民主党は、単なる「労組依存」というより、「左翼組合依存」の政党と言わざるを得ないだろう。

■教育政策は日教組の「受け売り」

次に、民主党が掲げる政策から見た支持組織との関係を検証してみよう。まずは教育政策についてである。

先に紹介した『民主党INDEX2008』においては、「文部科学」政策の分類には三十八の項目が掲げられているが、注目しなければならないのは教育理念や制度に関する教育政策の根幹である。

『政策INDEX』によれば、民主党が一昨年、政府の教育基本法改正案に対案として提出した「日本国教育基本法案」こそが「民主党の教育政策の集大成」であり、なかでも「何人でも『学ぶ権利』を保証する」ことが教育政策の根幹だと断言している。

問題は、この「学ぶ権利」の内容である。「日本国教育基本法案」の第二条において「学ぶ権利」はこう説明されている。「何人も、・・・・・健康で文化的な生活を営むための学びを十分に奨励され、支援され、及び保障され、その内容を選択し、及び決定する権利を有する」と。

これは決して子供に勉強する機会や権利を保障するという話ではなく、子供にも「(教育の)内容を選択し、及び決定する権利」があるという考え方であり、小学生が「算数はやりたくない」とか「学校に行きたくない」という選択をすることも権利として保障するという児童中心主義の考え方である。いうまでもなく、その背景にあるのは「あるがままの自分でいる権利」などを掲げた、あの「子どもの権利条約」の発想である。この「法案」には、他にも「適切かつ最善な教育」(第三条)「子どもの最善の利益」(第十条)など、子どもの権利条約そのままの用語も登場する。いわば、民主党が掲げる教育理念はまさに「子どもの権利条約」を根幹としていると言っても過言ではなかろう。

言うまでもなく、これは日教組が掲げる教育理念でもある。「日教組・政策提言と要求」(〇七・〇八年)は、その冒頭で教育理念として「子どもの権利条約」が基本であると宣言し、教育改革は「憲法と子どもの権利条約の理念を生かした」ものでなければならないと明記している。

また、教育制度については、『政策INDEX』では「国の責任と市町村の役割を明確にした教育制度を構築」するとされている。具体的には「国は、義務教育における財政責任を負うとともに、『学ぶ権利』の保障について最終責任を負います。・・・・・市町村は、学習内容・具体的な学校運営等について、首長の責任の下で民主的に運営し、自らの創意工夫で自由に行います。・・・・・学校は、保護者、地域住民、学校関係者、教育専門家等の参画する学校理事会制度により、主体的・自律的な運営を行います」と述べられている。

つまり、国は財政などによって教育環境の整備だけを行い、具体的な学校運営は「保護者、地域住民、学校関係者、教育専門家等」に任せるべきだと民主党は言うのである。これは国はカネを出せ、口は出すなと言い換えることもできるが、これこそ戦後の教育論争において日教組が繰り返した主張でもあった。これだけでも民主党の教育政策は日教組の「受け売り」と言っても間違いではなかろう。

■連合に裏打ちされた日教組の主張

また、個別の学校運営についても、日教組は「教職員・子ども参画」を含めた「学校協議会」を主張しているが、民主党の「学校理事会制度」構想は、子どもの参画については触れていないが、現場教職員を含めている点は日教組の主張を受け入れたものとい言える。民主党が主張するように、現場の教員と保護者などで学校理事会が作られ、「主体的・自律的な運営」行われれば、それは必然的に現場教師主導の学校運営となり、それこそ日教組が年来主張してきた「職員会議が最高議決機関」との主張が実現されることとなろう。

このほか、民主党が掲げる「学習指導要領の大綱化」は、日教組がいう「大綱的基準」と同じ内容であり、教科書採択についても日教組が「学校単位での採択制度」を目指しているのに対して、民主党も「学校単位へと採択の範囲を段階的に移行」と呼応している。

こう見てくると、理念も制度論も教育内容も、民主党の教育政策と日教組の主張はほぼ同内容であり、その意味で民主党教育政策は日教組の主張を「丸呑み」したものと言える。

それにしても、これから政権をとろうという民主党が、左翼イデオロギーを持った集団の政策を「丸呑み」しているのは異様と言う他ない。むろん、それだけ日教組が民主党内で影響力をもっている証拠とも言えるのだが、実は、これらは日教組の政策というだけに止まっているのではない。自治労も「地域・自治体政策集」のなかで教育政策を掲げ、「学校運営協議会の拡大」、「学習指導要領の弾力化・・・・・地域主体の教育課程の自主編成」など、ほぼ日教組の政策をそのまま踏襲している。

むろん、連合全体の政策というレベルになると、さすがに日教組の主張以外の内容も入ってくるが、それでも自治労同様に、教育制度については「保護者、地域住民、教職員等の代表による」学校管理を提唱し、必要なら「児童・生徒の代表が参加できるようにする」と、日教組の主張がそのまま採用されている。

つまり、日教組の主張は、単に日教組の影響力によって民主党の教育政策となっただけではなく、民主党にとって最大の支持団体である連合によって裏打ちされた政策ということである。言い換えれば、日教組自身が民主党に影響力を持つだけではなく、連合という民主党最大の支持団体に属することによって、自らの政策をより全面的に民主党の政策に反映させているということもできる。

■「人権擁護」はなぜ重要政策となったのか

その意味で、民主党の教育政策は連合という組織が日教組という左翼組合を抱え込んだ結果とも言えるのだが、それとは別のパターンもある。例えば、「人権擁護」に関連する政策のケースである。

民主党の『政策INDEX』では、いわゆる人権擁護法案という言葉は出てこないものの、その核心というべき「人権侵害救済機関の創設」が政策目標として掲げられている。ちなみに、この人権救済機関とは法務省が提出しようとしていた人権擁護法案に出てくる「人権委員会」を内閣府の外局として位置づけ、さらに独立性をもたせた機関である。

言うまでもなく、この「人権侵害救済機関」なるものは、部落解放同盟の運動目標である。とはいえ、部落解放同盟はまだ社民党などとの関係も強く、関係する民主党議員は衆・参一人づつの二名しかいない(ちなみに、参院比例区の松岡徹議員は現職の解放同盟中央書記長、衆院福岡一区の松本龍議員は同副委員長)。つまり、必ずしも全面的な民主党支持団体というわけではない。

にもかかわらず、どうしてこの「人権救済機関」設置が民主党にとっての重要政策課題となったのか。「人権救済機関」なるものの創設が、単に解放同盟だけの主張であれば、民主党にとってこれほど拘らねばならない課題となったとは考えにくいが、そこには、この問題がかなり以前から連合全体の重要政策となっていたという事情がある。

実は、連合のなかには連合副会長が議長、日教組や自治労など産別労組の代表が副議長を務め、部落解放同盟も加わった「部落解放中央共闘会議」という機関がおかれている。これは七〇年代の総評時代に設けられ、連合になった後も引き継がれたもので、この組織を通して「人権侵害救済法」推進は、当初から解放同盟だけの主張ではなく、連合そのものの政治課題として位置づけられてきたのである。

それゆえ、連合本体も政策提言のなかで「人権侵害救済法」推進を明記し、今年五月には太田誠一法相に「『パリ原則』にそった独立した人権救済機関の設置」を要望している。むろん、日教組は「人権教育」の第一課題として「パリ原則に基づく『人権侵害救済に関する法律』を制定すること」(前出・日教組政策提言)を挙げ、自治労も自治体で「人権条例」を制定しようと提言している。

つまり、この「人権侵害救済機関」なるものは、連合のなかにある自治労、日教組という左翼セクターを媒介として、民主党の重要政策となったということができよう。

外国人地方参政権問題も同じパターンである。『政策INDEX』は「定住外国人の地方参政権」の実現が民主党結党時からの「基本政策」だと明記している。

言うまでもないことだが、外国人地方参政権を主張しているのは大韓民国居留民団である。むろん、民団は外国人団体なのだから投票はできない。にもかかわらず、この問題がなぜ民主党にとって結党以来の重要政策であり続けたのか。それは既に連合自体の政策のなかに入ってしまっているからである。

例えば、自治労も日教組もこの「外国人地方参政権」の実現を政策提言として掲げている。連合も「政策・制度要求と提言」において「永住外国人の地方参政権の付与について、法律を制定する」ことを明記している。

こうして見てくると、「人権侵害救済機関」創設や外国人地方参政権問題といった政策は、連合という支援組織、とりわけそのなかで中核的な組合である自治労や日教組という左翼セクターによって裏打ちされ、民主党にとっての重要政策となっているという構図が見えてくる。

いま、自民党幹事長だった小沢一郎という代表の言動だけがクローアップされ、それゆえにこうした構造は見えにくくなっているが、しかし、民主党の足下は日教組、自治労といった、かつては社会党を支えた左翼団体によって固められている。さらには彼等が媒介となって他の左翼組織や外国人団体の主張が民主党の政策へと転化している現実はきちんと認識すべきであろう。
【引用終】


マスコミは与党自民党への批判は容赦ないですが、一方で今回の論文にあるような民主党の実態につては殆ど報じることがありません。今年は衆院選があり、民主党が政権を奪う可能性もあります。国民が正しい判断を下すためにも、マスコミには民主党の実態についてもきちんと報道してもらいたいです。

次回も、民主党についての論文を引用します。


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※論文中に名前が出ていた輿石東氏に関連するニュースがありましたので引用します。

◆民主・輿石氏「教育の政治的中立ありえぬ」 日教組にエール?
 (産経 2009/1/15)

 民主党の輿石東参院議員会長は14日、おひざ元の日本教職員組合(日教組)が都内で開いた新春の会合であいさつし、「教育の政治的中立はありえない」と述べ、「反日偏向教育」の根源ともいわれる日教組へのエールと受け取れる発言をした。教育や教員の政治的中立は教育基本法や教育公務員特例法で定められており、日教組に肩入れする同党の“危うさ”がまたぞろ浮 き彫りになった。

 輿石氏は日教組傘下の山梨県教組(山教組)の元委員長。現在は日教組の政治団体、日本民主教育政治連盟(日政連)の会長でもあり、会合では「私も日教組とともに戦っていく。永遠に日教組の組合員であるという自負を持っている」と宣言し、政権交代に向け協力を求める場面もあった。

 平成16年の参院選の前には、山教組などで構成する事実上の輿石氏の政治団体が教員から選挙資金を集め、山教組幹部らが政治資金規正法(虚偽記載)の罪で罰金命令を受けるなどした。自民党の有志議員による日教組問題究明議員連盟(会長・森山真弓元文相)は、次期衆院選に向け日教組の偏向性を調査する構えで、議連から「輿石氏は標的になる」との声も出ている。

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コメント
この記事へのコメント
>tonoさん
民主党はtonoさんの言われるように「国賊集団」ですよね。民主党にだけは絶対政権を渡してはならないと思います。
2009/01/24(土) 16:27 | URL | spiral(管理人) #l7AT0Hcg[ 編集]
全く
 拉致犯の開放嘆願署名はするは、教育を我が物にせんと放言を吐くは、国会で漢字遊びやるは、外国人参政権、人権擁護法案、国籍法、地方自治条例、何一つ「国家」を見据えた物がありません。
 国賊集団です。
2009/01/23(金) 20:51 | URL | tono #vFsRzAws[ 編集]
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