『散る桜、残る桜も散る桜』 父祖の思いを受け継ぎ、次の世代へと伝えたい
今回は月刊誌『致知』二月号より、中西輝政氏(京都大学教授)の記事を引用します。

■よみがえる日本への道
日本は、いま何をすべきか

私は三十年以上前から国際問題について勉強してきたのですが、そこで得た結論は「日本が生きる道は内側にある。中にある」というものです。

それは国内という意味ではなく、人間の心の中に、という意味合いです。近頃の新聞を読みますと、日本人の心、あるいは生きようとする意味や活力が、集団的に乏しくなってきたのではないかという気がします。特に若い世代がそうですが、国を指導するような立場の人までが耳目(じもく)を疑うような事件を次々と起している。要するに日本人の内側の問題―――これが現在、我が国が直面している最も深刻な問題ではないかと思うのです。

私は若い頃に「大英帝国の衰退」という問題を長い間勉強したものですから、いまの日本を見ていると、デジャビュ(既視感)を覚えるのです。

我々は国際政治だなんだといろいろ仰々しい議論をしていますが、やはり行き着くところはそれぞれの国民の心の問題なんです。心が崩れてきたら、その国はまもなく衰退します。
繁栄した国であればあるほどダメになった時は恐ろしいものです。いまから約八十年前にイギリスはとんでもない状態になり、フランスでは約五十年前に大変な少子化が起こりました。このままいくとフランス人がいなくなるのではないかと危惧されたほどです。しかしいまのフランスの人口は六千数百万人で、移民の影響などもあるかと思いますが、半世紀で約一千万人が増えています。

アメリカでは一九二〇年代にバブル期に入り、少子化が始まりました。皆お金をたくさん使い、いいワインを飲み、行きたい場所へ行って、好きなことをした。お金は儲かりましたが、彼らの持つ価値観や精神構造は崩れていった時代です。

その後一九二九年に世界大恐慌が起こり、ウォール街で株価が大暴落しました。そして大不況の時代を迎え、失業率が三十パーセントという事態になりました。少子化も急速に進みました。こうしてアメリカは大変なことになったのです。当時のアメリカは移民をあまり受け入れなかったのですが、人口は減少の一途を辿(たど)るためどうするべきか論争を続けていました。

アメリカの少子化を解決したのは戦争でした。日本が真珠湾攻撃をしてアメリカに参戦の口実を与えたことで、出征を機に若者たちが次々に結婚し、ベビーブームが始まったのです。アメリカは戦後も朝鮮やベトナムと戦争を続けたことにより、ずっとベビーブームが続きました。ですから一九六〇年代までに生まれた人々が大団塊の世代を形成していて、これらの人々がアメリカの現代を支えていると聞いています。

いずれにしても、それぞれの国は人口問題という壁を乗り越えて、大きなよみがえりをしていくわけです。殊にアメリカは戦争でよみがえるんですよ。イラク戦争はいまは泥沼化していますが、あそこから足抜きをしたらまた強くなりますよ。腕っぷしの強い国ですから、ほどほどに付き合うという知恵も必要です。価値観など共有できません。

私はいつも「アメリカは最悪の同盟国だ。パートナーとして最悪の相手だ」と言っています(笑)。いつまでもこんなおんぶにだっこのような同盟体制が永遠に続くかのような議論をしていますが、そんな行き方をすると決めた時点で国は滅びますね。自分の足で立つまでの繋ぎ役、あるいはお互いにイーブンで付き合う。いつかはそういう状態を目指そうという強い目的意識を持ってやらなければならないと思います。

しかしいまはGPS(全地球測位システム)からコンピューターまで、全部アメリカにオお預け状態です。中国でもインドでもロシアでもブラジルでも、ちゃんと自前のGPSをつくっているのに、日本だけがこんな状態です。しかも農業の食料自給率が三、四十パーセント。にもかかわらず、パニックを起さない日本人はどうなっているのでしょうか。

国家の一番の命は何かといえば、「連続性」というものです。前の時代のものを継承し、それを次の世代に繋いでいく。人間でいえば親から子。国でいえば一つの大きな機軸に沿って、その連続性を維持していこうとする意志。これが国の経済、文化、教育、社会治安、あらゆる分野の基本にあるものだと考えています。

このままいくと、日本が国として持つ自己保存力、自己維持力がとことんまで劣化していく。安倍前首相はああいう辞め方をしましたが、一つだけ日本を踏み止まらせた点がありました。それは教育基本法を六十年ぶりに改正してくれたことです。あの改正がなければ、日本人の心は崩れ続けていったと思います。

先ほど申し上げたようにイギリスやアメリカは大きな苦境に陥りましたが、そこから皆、盛り返してきているんです。その一番大きなきっかけは何でしょう?

それはやはり国民の目覚めです。精神的な転換です。イギリスはいまから約三十年前、サッチャーが出てきた頃に見事に国が変わりました。何をやるのか分からん政治家だが、ものすごい迫力を持っている、と国民が期待した。そしてあっという間に国が変わり、いまではヨーロッパ随一の経済成長を続けています。

国というのは皆そういった苦境のし時代を通ります。問題はそこからどうやって立ち直るかです。その最も大きな原動力となるのは、国民の精神的な覚醒(かくせい)ですね。

日本という国は目覚めの国なんです。この国の歴史を貫く大きな軸、線というものを意識することが大事です。

江戸時代、田沼意次(たぬまおきつぐ)の時代に日本は大バブル期を迎えました。しかしバブルですから必ず破綻(はたん)する。皆は呆然(ぼうぜん)自失としている。その時に「これは出直しを図らなければ」という感覚がよみがえっていくんです。そしてお伊勢参りだ、お陰参りだといって、全国から参拝客が訪れたといいます。贅沢三昧(ぜいたくざんまい)をしておもしろおかしく生きてきた。そういう自分がいま、辛い目に遭っている。汚れを落とすために伊勢の神様にお参りをするというのは、日本人の素朴な出直しの感覚だったのですね。汚れを祓(はら)い、きれいになろう。自己反省し、新しい目覚めの時代を生きていこうという気持ちです。

昭和二十年の終戦時にもそういう国民の心理があったと思います。昭和天皇の終戦の詔勅(しょうちょく)にもそれが感じられます。

何千年にもわたる長い歴史の中で、この国はよみがえり目覚めを何度も繰り返してきました。いまの日本に必要とされるのは国民の心のよみがえりです。それなくして大きな再出発はありません。

おそらくこのままいくと、かつてイギリスが辿ったような、あるいはもっと苦難の道を辿るでしょう。少子化の道も止まることはなく、財政赤字は山のように膨らむ。北朝鮮からは脅されて、アメリカからは何兆円というお金を取られる。そういう世界をどうやって生きていくのか。日本人の心をどうやってよみがえらせるか。

一つ目は道徳の問題。二つ目は歴史観の問題。そして三つ目は皇室の問題。いまや北朝鮮をはじめとする脅威がどんどん迫っている。日本人の心は崩れに崩れている。蒙古(もうこ)襲来時もそうでした。幕末時もそうでした。しかしその時にいつも日本人はよみがえっているんです。

我々一人ひとりに日本人の心のつくり直しということに関して大きな責務があるのではないかという呼び掛け、問題提起を皆さんにさせていただきました。(終)


現在の日本は、混迷期にあって危機的な状況にありますが、中西氏の言われるように、歴史を振り返れば、蒙古襲来の時や、幕末時、先の戦争の終戦時などの危機的状況を、日本は「よみがえり」を果して乗り越えてきました。ですから、今ある危機も必ず乗り越えられます。
そのためには、私たち一人ひとりが、国民の心が崩壊すれば国も衰退するんだということを自覚し、失われた日本人の美徳、日本民族の歴史を取り戻し、心のつくり直しをしなければなりません。
拙ブログでも、その一助となることを書いていければと思います。


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不具合
今年に入ってから、こちらのブログで、記事の続きを読ませて頂こうとしたり、コメント欄を開こうとすると、不具合が生じるようで、ネットを強制的に終了させられる状態が続いています。今は開けましたが、またいつ終了になってしまうかわかりません。
そんなことで、今後コメントできないことがあるかもしれませんが、記事は読ませて頂きます。お身体お大事になさって下さいますよう。
2008/01/31(木) 00:19 | URL | ハハサウルス #-[ 編集]
試写会大盛況と「大道無門」
映画「南京の真実」第1部の東京での試写会・・・大盛況でホールに入りきれない方々がロビーでもご覧になったとか。
いよいよ2/9は大阪です。

今日の「大道無門」では渡部先生と水島さんの対談でとても感激しました。共鳴しあうお二人を見て是非是非後に続かなければと思いました。
2008/01/26(土) 22:52 | URL | さくらこ #-[ 編集]
>tonoさん
tonoさんの仰るとおりで、日本人は目覚めるべき時に来ていると思います。
政治が混迷を極め、頼むに足る政治家も僅かしかいない現状ですから、国民が今ある危機を自覚し、目覚め、国を変えていかなければなりませんね。

>さくらこさん
チャンネル桜を立ち上げ、そして映画『南京の真実』を作り上げた水島社長は本当に立派な方ですよね。
これにより、一人でも多くの方が目覚めて下さるといいですね。

>milestaさん
お忙しい中、コメント下さってありがとございます。
失ったものを取り戻すのは容易ではありませんが、milestaさんの仰るように、今ならまだ軌道修正は可能です。
教育については、せっかく教育基本法改正がなされたのに、安倍氏が病で倒れ、よりにもよってあの福田氏が後を受け継ぐことになってしまったので、その理念が実現されるのは遠のいたように思います。
しかし、今の教育の現状を憂い、変えていこうとする方も多々おられ、そうした方々の努力により、良くなる兆しは見えてきているように思います。
milestaさんの言われるように、こうしたことに無関心な親御さんたちにおられるので、そうした方に関心を持ってもらうようにするのも大事ですね。
私に出来るのは、ブログで訴えていくことぐらいなので、これからもコツコツ続けていきたいと思います。
2008/01/26(土) 14:14 | URL | spiral(管理人) #l7AT0Hcg[ 編集]
完全に失った物を取り戻すのは容易なことではありませんが、今ならまだ、日本人の美徳も、歴史や文化への誇りも、わかる人にはわかっており、軌道修正も可能だと思います。

教育基本法改正も手段のひとつではありますが、その効果が表れるのを待っていたのでは遅いような気がします。
それに「教育基本法といっても学校の話でしょ?」と思っていて、無関心な親も多いのではないでしょうか。学校に行く前に家でどう育てられるかという家庭教育の問題は、とても大切なことなのに。
2008/01/24(木) 20:29 | URL | milesta #S4B2tY/g[ 編集]
>一つ目は道徳の問題。二つ目は歴史観の問題。そして三つ目は皇室の問題。

日本は目覚めの国・・・・・目覚めさせるのは水島さんです。

明日いよいよ東京で映画『南京の真実』第1部の試写会があります。記者会見もあるそうです。これを機会に歴史観(道徳や皇室の問題も含む)について目覚める人が増えることを願ってやみません。
2008/01/24(木) 20:26 | URL | さくらこ #-[ 編集]
 仰るとおりですね。
 「元寇」もただ神風だけで救われたわけではありませんしね。
 幕末から維新、まだまだ勉強が足りませんが、日本が他国の属国になる危機を感じての「富国強兵」。
 敗戦からの復興。
 日本人には、それこそ神懸かり的な力があると思います。
 そろそろ、その目覚めが有って良い時期に来ているのでは無いでしょうか? 
2008/01/24(木) 16:10 | URL | tono #vFsRzAws[ 編集]
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2008/01/30(水) 23:27:56 | 平成更級日記