『散る桜、残る桜も散る桜』 父祖の思いを受け継ぎ、次の世代へと伝えたい
今回は、日本政策研究センター発行の『明日への選択』9月号より、小沢民主党について書かれている論文の一部を引用します。

■「古い体制」の復活か「戦後レジーム」の打破か
小沢民主党の公約は「政権あって国家なき」バラマキを続け
憲法も安保も「棚上げ」した「古い政治」そのものだ


※これは安倍首相辞任前に書かれたものです。

・・・さて、こうした状況の中で、新陣容の安倍内閣が再出発した。先にも書いたように、マスコミも国民の大半もこの内閣の将来にすこぶる懐疑的だが、むろん筆者はこの内閣に変わらぬ期待を抱いている。以下に示すように、この選挙戦を契機に、今この日本には「古い体制」の復活とでもいうべき改革への「逆流」が生じているが、これを断固阻止しない限り、われらの課題たるこの日本の根本的改革は実現しない、と筆者は考えるからだ。この動きと正面から対決していけるのはやはり安倍首相を措いていないのではないか。

では、この日本に今、新たに台頭しつつある「古い体制」とはどのようなものなのだろうか? ここは誤解を恐れずにあえて結論を言えば、かつてわが国の政治を根本的に規定したあの「五五年体制」に他ならない、というのが筆者の認識である。
周知のように、「五五年体制」とは、かつての社会党とかつての田中派主導の古い自民党が、政治の表舞台では厳しく対立しつつ、裏ではお互いの利益を媒介に緊密な「黙契ともたれ合い」の構造を密かに成り立たせて体制に他ならない。政権党である自民党は自らの政策を実行するに当たって決して無理押しせず、社会党にも抵抗政党としての面目を保たせるとともに、他方ではバラマキ政治の恩恵を抜け目なく彼らにも配することを忘れなかった。自民党はかくて政権党としての「実利」を確保しつつ、社会党にもいささかのおこぼれとメンツを保証し、「長期単独政権」の存在基盤を確保したのである。それは言ってみれば、表は自由経済で裏は社会主義、その「妥協と共益」のベースが「戦後レジーム」の維持、つまり「一国平和主義」の上に成り立つ「日本型談合政治」という構図であった。

ともあれ、この「五五年体制」が今形を変えて復活しようとしている、というのが筆者の認識に他ならない。今回、究極の「バラマキ」的公約により勝利を得た小沢民主党代表がかつての「古い自民党」、そして氏が率いる民主党の左半分がかつての「社会党そのもの」と考えてみれば、これこそが正真正銘の「五五年体制」の復活ではないかとは、誰もが合点するところであるからだ。それだけでなく、そうした両者をつなぐ「戦後レジーム」に対する共通の信仰、「一国平和主義」の下での保革「なあなあ政治」への帰巣本能、それを打破しようとする「改革の政治」に対する共通の「敵意」、ということから言えば、それは現在の自民党の一部、そしてマスコミのほぼ全てをも巻き込む「支配的流れ」だとも言うことができよう。詰まり、この日本の残存抵抗勢力とも言える「バラマキと戦後民主主義信奉」の旧勢力が、今急激に力を回復しつつあるのが今日の状況なのだ。

言うまでもなく、今回の参院選では、首相はこの残存勢力のなりふり構わぬ反安倍ネガティブ・キャンペーンにしてやられた。屋山太郎氏はこの敗戦を「憲法や教育を含め戦後レジームを守りたい一部のマスコミのバッシングに敗れたといっていい」と評したが、むろんそれは一部マスコミに留まらず、先に指摘したこの日本の「裏体制」とでもいうべき「旧勢力」全てを含み込んだ策動であったとも言うことができるだろう。敗戦後、自民党をも含め巻き起こった「安倍には弱い者への目配りがなかった」「戦後レジームの打破などという書生論では国は動かない」などといった批判の大合唱は、まさにそうした意味での「旧体制」の本音を、問わず語りに明かすものだというのが筆者の認識なのである。

とすれば、このような動きに無批判に煽られ、その奥にある旧体制復活動きに知らぬ間に乗ぜられてしまうような愚は絶対に避けねばならない。問題とされるべきは、安倍首相の「戦後レジーム」打破の志向に対する「古い戦後民主主義勢力」の総力を挙げた「抵抗」であり、それを認めるのか、あるいは断固としてそれを拒否するのか、それこそが今まさに問われるべき真の課題であると言うべきだからだ。つまり、「古い体制」の復活か「戦後レジーム」の打破か、それこそが今われわれに問われる命題なのである。

■「生活が第一」の正体

ところで、こうした旧五五年体制の復活を筆者に明確に意識させるきっかけとなったのは、先にも触れた今参院選における小沢民主党の公約であった。「生活が第一」――と真正面に謳うこの公約は、外交も安保も、そしてこの日本国家の将来像に関わる憲法論議も一切棚に上げ、ただここ数年間の「小泉構造改造」で生まれた格差と地方経済の疲弊のみを殊更に問題にする。その上で、「弱者に目配りする政治」なるキャッチフレーズの下、「消費税増税はない」とあえて明言しつつ、総額一五・三兆円という大盤振る舞いの政策を提示したのである。つまり、かつての「五五年体制」の時の「古い自民党」のバラマキ人気取り政策と、かつての社会党の財源論も何もない社会主義的主張をそのままごた混ぜにしたかのごとき「無責任政策」を恥ずかしげもなく掲げたのだ。 
■外交・安保は思考停止

さて、最後にもう一つ指摘しておきたいのは、この「古い体制」のもう一つの側面である。先にも指摘したように、小沢代表は今回の公約では、外交、安保、憲法といったこの日本国家の存立の根幹に関わる根本問題をあえて全て棚上げした。しかし、これこそまさにかつての「保革もたれあい」の中で憲法を棚上げし、安保を棚上げしてきた「古い政治」の核心だったのではないか、というのが筆者の指摘したい点だからである。国家の根本に対する議論への「モラトリアム」(思考停止)がいわば「五五年体制」の本質をなすものであったとすれば、まさに小沢代表の姿勢はこの本質の具現化そのものとも言えるからだ。

しかしその一方、小沢代表は参院選後、臨時国会の最大焦点とされていたテロ特措法の延長につき、それは認められないとの意向を早々と表明した。米国を中心としたインド洋でのこの作戦は、直接的に国連安保理事会からオーソライズされてはおらず、海上自衛隊がそれにあえて参加しなければならない大義名分はない、というのだ。それはあくまでマスコミ向けの理由に過ぎず、要は国内の反米世論の取り込みと氏独特の「国連信仰」、そして今後の自民党との攻防に向けての主導権確保の思惑と民主党左派への政治的配慮――というのが民主党の事情にも通じた者の分析であった。もしこれが事実とすれば、ここにも「国益より政局」、そして未だ彼の思考を呪縛し続ける「国連中心主義」という、かつての「古い政治」の惰性的思考が依然として生き続けているのを見るべきなのではなかろうか。

と同時に、ここではこの小沢民主党の外交・安保問題への姿勢について、もう少し踏み込んだ指摘もしておきたい。今回の民主党公約がこの種の問題をほぼ全て棚上げしてしまったことは既に指摘したが、それはあくまでも選挙対策上の一時的措置に過ぎず、本音の部分はむしろ終始一貫、明確な左翼的思考によって貫かれているものであることは、是非とももっと知られるべき基本事実だと思われてならないからだ。具体的に言えば、集団的自衛権解釈見直しへの反対、米軍再編・沖縄基地問題への否定的対応、日米同盟深化への抵抗、中韓への一方的擦り寄り、歴史問題への自虐的アプローチ、国立追悼施設への賛意等々、それはこの日本のリベラル総体にとっての共通信条とでも言えるものだからだ。そこにあるのは依然として「戦後民主主義」を金科玉条視する旧来型思考であり、安倍首相の言う「戦後レジーム」打破の主張に強烈な敵意をもつ思考でもあるのである

「五五年体制」とは、「戦後レジーム」維持という共通の基盤の上に築き上げられた自社「共存・共益」の体制であった、とはこれまで繰り返し指摘してきた点であった。しかし、ここで改めて確認しなければならないのは、この体制は決して既に乗り越えられてしまった「過去の体制」でも何でもないということである。その表面的な形は変わったが、それは今も「小沢民主党」という形で強固に存在しており、それどころかそれはマスコミ界や財・官界をも含め、あるいは自民党のかなりの部分までをも含めて、更に潜在的に広範な広がりをもつ体制であるということなのだ。そして、その共通の心情の基盤となるのは依然として「戦後民主主義」への果てることのない信仰だということなのだ。

安倍首相の「戦後レジーム」打破の主張はこの体制に対して果敢に戦いを挑むものであった。しかし、その戦いは残念ながら一敗地にまみれた。今われわれの前にあるのは、逆にこの「戦後レジーム」を共通の基盤とする「古い体制」の《新たなる蘇り》である。果たしてこれを是とすることができるのか。いやそうではない、やはり「戦後レジーム」の打破がない限り、この日本の再生もまたないのだと思う者は、即刻今政治の舞台で再度繰り広げられようとしている新たな戦いの意味に眼を向けてみるべきではないか。(終)
■■■■■■■■■■■■■■■■

論文で言われている、小沢民主党が「古い政治」そのものであるという指摘は、その通りだと私も思います。この体制を打破するために、安倍首相は「戦後レジームからの脱却」を掲げ、戦っておられたのです。

しかし、先の参院選では、国民は小沢民主党を勝たせるという判断をしてしまいました。この判断は、衆愚に振れてしまったものではないでしょうか。

その結果、これが大きな要因となり、安倍首相は辞任をすることとなりました。これで、日本が真に再生するために何としても果さねばならない、戦後レジームからの脱却が遠のくこととなりました。

今、日本は内外に難題を抱えており、私たち国民は真剣に政治のことを考えなければならない時です。次回行われる衆院選では、小沢氏の甘言や、マスコミの偏向報道に踊らされることなく、真っ当な判断をしなければならないと思います。そして、今回の参院選ような、古い政治体制を甦らせ、政治の混迷を招くような愚は犯さないようにしなければなりません。



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この記事へのコメント
>なにわのご意見番さん
>醍醐のさくらさん

コメントありがとうございます。
2007/11/15(木) 17:33 | URL | spiral(管理人) #-[ 編集]
「大連立構想」
 「大連立構想」の仕掛け人は渡辺恒夫読売新聞会長で、中曽根元総理と、森元総理と相談の上仕組んだことである。小沢代表がこの話に乗ったのがいささか軽率であったように思う。福田総理との会談で合意したことを民主党の党内を、説得してまとめきることが大切である。小沢氏には党内をまとめる力量と先を読む能力に少し欠けていたように思う。天下を取るためには人望とカリスマ性と人を説得してまとめる能力が必要である。小沢氏には、天下を取った徳川家康が身につけていた「忍耐力」が不足しているのように思う。
2007/11/14(水) 16:59 | URL | 醍醐のさくら #wJ/OfRe2[ 編集]
「大連立構想」について
 過去に自民党と連立を組んだ政党(社会党、さきがけ、自由党、新自由クラブ、保守党)は党が衰退しているか解党している。ほとんどが使い捨てで、自民党政権の延命に手を貸しただけである。現在、公明党だけが自民党と連立を維持している。政局は先行ゆき透明である。これから情勢が変化すれば風見鶏の公明党のことだから、どう動くか予測ができない。次の選挙で民主党は第一党になる可能性が高いのだから、下手に小細工をせずに正面から正攻法で戦うことが得策である。
2007/11/14(水) 16:27 | URL | なにわのご意見番 #wJ/OfRe2[ 編集]
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このコメントは管理人のみ閲覧できます
2007/11/14(水) 14:31 | | #[ 編集]
>ハハサウルスさん
今、日本は大きな分岐点にきているんだと思います。安倍首相の辞任で、自民党内の保守派は勢いを失い、代わりに戦後レジームにどっぷりつかった左派政治家たちが勢いをつけていますから、この自民党の中の左派の人々と、小沢民主党によって日本の国柄は大きく変えられてしまい、取り返しがつかないことになるかもしれません。
こうした状況ですから、私たち国民も、声を挙げて正論を唱えていかなければならないと思います。お互い頑張りましょうね!
2007/09/22(土) 13:35 | URL | spiral(管理人) #l7AT0Hcg[ 編集]
民主党の正体
安倍首相の残念な辞任表明から以降、日本の将来に暗雲が立ち込めてきましたね。改めて考えてみても、安倍首相のこの一年間に為されたことの意義を思います。日本が真の意味での独立国家たる上に、「戦後レジームからの脱却」は必要不可欠だったのに、今の矮小化した政治家には理解すらされていなかったのだと思うと、腹立たしくてなりません。したり顔でマスコミに登場し、安倍首相批判(今は麻生さん批判)をする輩には、怒りを感じずにはいられません。
小沢一郎という男、昔から信用していません。田中角栄の子分らしく、ばら撒き大好きで、双方に甘い汁を吸わせるのが得意な権力志向者です。なにが「生活第一」なもんですか。国民に目先の生活のことしか考えさせないことで、裏で何をしているやら…。
小沢一郎は論外ですが、民主党の心ある(と思っていた)議員たちはどこへ行ってしまったのでしょう。左派が牛耳る民主党は、ある意味共産党より厄介です。自民党総裁選だけでなく、小沢民主党の動きに注目していかなければなりませんね。
2007/09/21(金) 11:41 | URL | ハハサウルス #-[ 編集]
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今回の安倍首相の突然の辞任は、世界中を驚かせるほど不可解であった。そのため、さまざまな情報が飛び交い、安倍首相は暴力団から脅されていたとの情報まである。しかしながら、さらに不可解なのは、自民党の派閥ぐるみ
2007/09/21(金) 11:09:18 | 釣りキチおやじの言いたい放題