『散る桜、残る桜も散る桜』 父祖の思いを受け継ぎ、次の世代へと伝えたい
今回は、『日本の息吹』2月号(日本会議発行)に掲載されていた、関岡英之氏(ノンフィクション作家)の論文を引用します。


■戦後教育の真の病根にメスを入れよ

関岡英之(ノンフィクション作家)

教育基本法が改正された。しかし日本人の精神を荒廃させてきた元凶である戦後教育の再生は、まだほんの端緒についたばかりである。戦後教育を受けた世代は天孫降臨神武東征も教えられずに育つ。私たちは、自分の国のそもそもの成り立ちを、学ぶ権利を奪われているのだ。

◎なにが日本人の精神を衰微させたのか

親が子を殺し、子が親や祖父母を殺す。自殺するまで級友をいじめぬき、死に至るまで幼い我が子をなぶり尽くす。その一方で、「人の心はカネで買える」、「天皇制なんか無くなったほうがいい、日本も大統領制にしたらいい」などと放言した若造を、テレビ司会者が「カイカクの旗手」ともてはやし、時の総理が「いいねぇ~、新しい息吹を感じるねぇ~」と褒めそやす。子どもたちも見ているテレビの画面で、逮捕直前の容疑者が「カネ儲け、悪いことですか」と開き直り、与党の幹事長が「私は偉大なるイエスマン♪」と言い放つ。庶民はたがいに殺し合い、エリートは金銭と権力への迎合を恥じなくなった。

日本人の心が病んでいる。陋劣(ろうれつ)の極みに達している。このままでは、世界に比類のない日本という文明が滅びる。いったいなにが、日本人の高潔な精神、剛毅な大和魂をかくまで衰微させたのか。いまこそその真の病根に、正面から向き合うべきではないか。
◎アメリカ教育使節団の提言通りに「カイカク」された戦後教育

『アメリカ教育使節団報告書』(村井実訳、講談社学術文庫)。

教育基本法が公布される一年前の昭和二十一年三月、アメリカの二十七人の教育関係者が占領下の日本に派遣された。団員は、いずれもアメリカの教育制度の専門家ではあったが、日本に関してはその教育制度はおろか、日本語にも日本の歴史や文化にもまともな知見を持たなかった。それがわずか一ヶ月弱ざっと視察しただけで「カイカク」を勧告した。それは教育制度にとどまらず、我が国の精神文化を根底から否定するものだった。

報告書の提言は、ただ一点を除きすべて実施された。唯一実現しなかったのは、国語のローマ字化である。アメリカ教育使節団は、漢字、仮名を問わず、日本の文字を全廃してアルファベットを使うように提言したのだ。占領下とはいえ、さすがに当時の日本もこれだけは受け入れ難かった。妥協案として旧漢字、旧仮名遣いが廃止された。

『アメリカ教育使節団報告書』の提言に従って実現されたのは、戦後日本の教育のすべてである。教育勅語の廃止。男女共学、六三制義務教育、PTAの導入。もちろん、教育内容もしかりである。

「国史」について『アメリカ教育使節団報告書』は「単なる改訂では済まない・・・今までとはまるで違う歴史観の下で書き直さなければならない」として、徹底的な「修正」を迫った。記紀神話を国史から分離して、ギリシャ・ローマ神話など外国神話と同列にして「文学」として教えるべきだと勧告した。しかし結果は、アメリカ教育使節団の提言よりも改悪された。記紀(古事記と日本書紀)神話は現在、義務教育課程において「国語」でさえ教えられていない。戦後教育を受けた日本人は天孫降臨も神武東征も教えられずに育つ。私たちは、自分の国のそもそもの成り立ちを、学ぶ権利を奪われている。

『アメリカ教育使節団報告書』はまた、「修身」の廃止を強く勧告した。礼節や倫理的態度は、サークル活動やスポーツマンシップを通じて学ばせればよいとされた。「修身」の代わりに、アメリカの公教育で重視されている科目である「社会科」、つまり地方自治の学習や、役所や企業、商店などの社会科見学の導入を推奨した。また、「優れた授業」とは民主主義や個人主義を育成するものだと主張して、子どもが自ら司会をつとめるホームルームや、子どもが自ら選挙で役員を選ぶ生徒会の導入を勧告した。それらはずべて実現した。

◎教育委員会も日教組もGHQの置き土産

教育制度についても、『アメリカ教育使節団報告書』の提言はすべてに及んでいる。昨年、全国で噴出したイジメによる自殺への対応で、その欠陥ぶろが露呈した教育委員会制度も、もとはアメリカ教育使節団の提言なのだ。

報告書には、文部省の「権力の不法使用の再発を防ぐため・・・この官庁の行政支配を、都道府県や地方の学校行政単位に移譲することを提案する」と明記されている。教育基本法のなかの「教育は不当な支配に服することなく」という不可解な発想、無責任体質の権化のような教育委員会という奇怪な存在も、要するに警察組織と同様、中央集権を解体し、地方分権化を推し進めることで我が国の弱体化を目論んだGHQの置き土産なのだ。日本の総人口は、支那では四川省一省に相当するに過ぎない。この小さな国で、国家意志の優位を否定し、意思決定機構をあえて分散化しなければならない必然性ほんとうにあるのかどうか、再考の余地があるはずだ。

戦後日本の最大の禍根とも言うべき日教組の誕生もまた、ほかでもないアメリカ教育使節団の提言である。報告書には「教師の権利」として「思想表現の自由、地位の保障、待遇の改善」を実現するため、「校長の支配を受けることなく、自由に討議する」教員組合の「組織の自由が認められるべきである」と明記されている。この勧告の翌年、日教組が設立された。アメリカによる占領政策こそが、戦後日本のあらゆる混迷の淵源なのだ。

安倍政権によって、ついに教育基本法が改正された。占領以来五十九年間、手をつけることができなかった宿痾(しゅくあ)のひとつが処置されたことは取り敢えず前向きにとらえたい。だが、愛国心と宗教的情操の涵養(かんよう)が明記されなかったことなど課題も多い。日本人の精神を荒廃させてきた元凶である戦後教育の再生は、まだほんの端緒についたばかりである。

日本人の魂を萎縮させ、国威を衰微させてきた真因はなんだったのか。今こそ私たちは、その真の淵源を直視し、自ら問い糺す勇気を持たねばならない。(終)


※関岡英之(せきおかひでゆき)氏プロフィール
昭和36年東京都生まれ。慶大法学部卒。
東京銀行に約14年間勤務の後に退職。早大大学院理工学研究科修士課程修了。著書に『なんじ自身のために泣け』(第7回蓮如賞受賞)『拒否できない日本 アメリカの日本改造が進んでいる』『奪われる日本』など。

関岡氏の言われるように、戦後教育というのは、アメリカの占領政策によって「カイカク」されたものであり、我が国の精神文化を根底から否定するものであったということです。
そして、昭和27年(1952年)4月28日にサンフランシスコ講和条約が発効され、日本が主権を回復した後も、日教組などによりその政策は引き継がれ、今も日の丸、君が代に反対したり、自虐的な歴史教育が行われたりしています。さらに、関岡氏が指摘されているように、日本の神話も教えられず、自分の国の成り立ちを学ぶ権利さえ奪われた状態です。

神話というのはは非科学的なものですが、しかし、その中にはその国の国民、民族の発想様式や心の動きの本質が語られており、貴重な文化的遺産なのです。

東大教授、日本歴史学会会長等を歴任された坂本太郎氏(昭和62年逝去)は、神話を教える意義について、以下のように言われています。

「日本神話の包容的性格、平和的性格というのは日本文化の後世の性格とまったく同じです。日本文化は、諸外国の異なった文化をとり入れて発展してきた。また日本民族は平和的な生活を好んで、殺伐なことはそういきすぎては行わない。それが日本神話には現れている。結局、日本歴史と同じ精神がここにも貫かれている。このように日本神話を考えれば、反動、復古などと恐れる必要はないし、日本歴史の特性を理解する上には、だいじなものだと思います」

「古代史を神話から教えず、考古学の成果や外国の史書から教えることはその(戦後流行の科学的態度)一つであろう。ただそのために神話を捨てることが科学的だと速断するのはおかしい。むしろ神話を無視し、神話についての知識を歴史教育で与えないというのは、重大な失敗である。神話は古代人が国家や皇室の起源について抱いた素朴な歴史観であり、それが後世の歴史の展開に寄与した力は偉大であった。小学生にはおもしろい話として、中・高校生には神話として諸外国の神話と比較して授けるべきものであると、私は考える」

戦後60年以上が過ぎ、様々な資料が公開されたり、あるいは以前の記事で紹介した高橋史朗氏らの研究により、GHQの占領政策の実態も明らかなになってきました。安倍総理は「戦後レジーム(体制)」からの脱却を訴えておられますが、戦後教育においても、混迷の淵源になっている真の病根(占領政策)にメスを入れ、戦後レジームから脱却しなければならないと思います。


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コメント
この記事へのコメント
>tonoさん

>今回反対意見を述べた最高裁判事も、その病根に侵されている人種でしょうか?

間違いなくそういう人種でしょうね。

君が代訴訟については、報道によれば各地でこの種の訴訟を起こしている教師は約1000人もいるそうですから、病根を絶つべく、こうした教師を教育界から追放すべきだと思います。
2007/03/02(金) 11:25 | URL | spiral(管理人) #-[ 編集]
 TBありがとうございます。
 戦後教育の真の病根・・・
 今回反対意見を述べた最高裁判事も、その病根に侵されている人種でしょうか?
 この音楽狂使は間違いなくその病根に侵され、自らがそのまた病根にもなって浸食する生き物の様ですね。
 病根を根絶すれば、本来こんな馬鹿馬鹿しい訴訟は、日本人の恥として、あり得ないものに戻るのではないかと思います。 
2007/03/01(木) 17:56 | URL | tono #vFsRzAws[ 編集]
>HIRO。 さん
「他人を見下す若者たち」という本は知らなかったので、アマゾンでチェックしてみます。
2007/02/27(火) 22:31 | URL | spiral(管理人) #-[ 編集]
追伸。
「裏切りの世界史」「侵略の世界史」「日本文明の真価」アマゾンで購入しました。まだ読んでませんけど。なかなか忙しくて。「国家の品格」はいまだに順番が回って来てないです。「他人を見下す若者たち」を今、読んでます。日本の病根が垣間見える本です。
2007/02/27(火) 20:11 | URL | HIRO。 #-[ 編集]
関岡英之さん。
「奪われる日本」の著者ですね。予約が多くてまだ読んでないのですが楽しみにしてます。小林よしのり氏が紹介してました。
2007/02/27(火) 20:06 | URL | HIRO。 #-[ 編集]
ここで問題になっているような教育を受けた大学教授が、学問的・客観的・中立の立場で、日韓関係を論じようとした本があります。

客観的で良い本だという評判もあったので、まず

「コミック韓国 コリア驚いた!」李元馥/著 松田和夫/訳 申明浩/訳 朝日出版社

を読んでみましたが、どうもあやしい。そこで、

「ネイバーズ 北朝鮮を見るに見かねて」イ・ウォンボク、松田和夫 共著 朝日出版社

を続けて読んでみたら、韓国礼賛と、自分が進歩的日本人だという自慢話だけのような印象です。
できれば皆さんの感想も聞いてみたいです。
2007/02/21(水) 21:28 | URL | 羊羹 #-[ 編集]
>かっぱやろうさん
戦後の教育を受けた世代では、そのような方がいるのも無理からぬことです。しかし、せめてイザナギ(伊邪那岐)とイザナミ(伊邪那美)ぐらいは知っておいて欲しいですよね。

記紀神話は是非とも学校で教えるべきだと思います。
2007/02/20(火) 23:20 | URL | spiral(管理人) #-[ 編集]
後輩にでスね。
イザナギってなんですか?って奴がいたでスよ。
20歳半ばなんでスけどネ。
゚(∀) ゚ エッ?
ってな感じでスよなあ。
古事記とか日本書紀とか。
もっと教えるべきと思いまス。
2007/02/20(火) 12:45 | URL | かっぱやろう #-[ 編集]
>milestaさん
神話というのは、我々のご先祖がこの国の成り立ちをどのように考えていたのか、またどのような理想や信仰心を持っていたのかを知る大事なものですよね。これも、GHQにより歴史として教えることを禁止されたのです。

高橋史朗氏の著書に、以下のようなエピソードが書かれていました。

私がアメリカに留学していた時、アメリカ人の教授が日本人留学生を指名し、「天照大神」を何と読むかとたずねました。すると、指名された日本人留学生は「テンテルダイジン」と読んだのです。先生は顔が一瞬青ざめ、「座りなさい。この後、あなたにこに神様はどういう神様か説明してもらおうと思ったけれども、あなたにはもう聞かない」と言いました。
私たち日本人留学生は、次の日から「在日日本人」と言われました。(終)

神話も教えられず、日の丸や君が代の意味も教えられず、歴史といえば自虐史観で、とにかく日本は有酷い国だったんだと教えられてきた戦後教育を受けた世代は、「在日日本人」になってしまうのも無理からぬことだと思います。

教育の目的は、子どもを真っ当な日本人に育てることですから、戦後教育の真の病根にメスを入れ、「在日日本人」ではなく、真の日本人を育てる教育にして欲しいです。

教育に限らず、現在の日本は、GHQの占領政策により国体が歪められ、独立を回復した後もそのままできてしまっっています。安倍総理もそのことを理解されているから、「戦後レジーム」からの脱却を言われているのだと思います。

今こそ日本は変わるときだと思います。

> kousotsudrさん
コメントを下さったということは、手術の方は無事に終えられたんですね。良かったです。

kousotsudrさんの言われるように、神話は民族の連続性を最も顕すものだと思います。ですから、事実ではないとか、非科学的だということで神話を教えないのはおかしいと思います。
2007/02/19(月) 19:15 | URL | spiral(管理人) #-[ 編集]
お久しぶりです。

神話が事実であるのか無いのかは事の本質ではなく、”日本には神話があるんだ”と云うことが民族の連続性を最も顕すものなのでしょうね。

以前、金美齢さんが「台湾には神話がない、神話のある日本が羨ましい」と仰っていたのを見て、凄く共感できた憶えがあります。
2007/02/19(月) 13:27 | URL | kousotsudr #-[ 編集]
私も先日、日本ではなぜ神話を教えないのかという記事を書いたばかりです。
出てくる事象が事実かどうかより、その頃の日本人が何をどのように考えていたのかがよくわかる、日本の源を教えてくれる書物なのに・・・。

日教組の成り立ちにもGHQが関係しているのですね。今、日本で起こっている問題の原因を探っていくと必ずと言っていいほどGHQが出てきますね。
2007/02/18(日) 20:20 | URL | milesta #S4B2tY/g[ 編集]
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