『散る桜、残る桜も散る桜』 父祖の思いを受け継ぎ、次の世代へと伝えたい
今回は、「教科書が教えない歴史2」(産経新聞ニュースサービス発行)という著書より、東京裁判について書かれた部分を引用します。

■抹殺された日本人の歴史観

「一国の人々を抹殺するための最後の段階は、その記憶を失わせることである。・・・その歴史を消し去った上で、・・・新しい歴史を発明させることだ。そうすれば間もなく、その国民は国の現状についてもその過去についても忘れ始めることになるだろう」

『笑いと忘却の書』を著したチェコ出身の作家、ミラン・クンデラは、このように登場人物に語らせています。戦後の日本にも同じようなことが行われたことを皆さんは知っていますか。

第二次大戦後、日本は連合国の占領軍によって統治されましたが、占領軍が消し去った歴史を「大東亜(だいとうあ)戦争」、発明した歴史を「太平洋戦争」と言います。

日本人は大東亜共栄圏(きょうえいけん)の樹立という理想のもとに「大東亜戦争」を戦いましたが、占領軍は一九四五年(昭和二十年)十二月十五日の「神道指令」の中で、この「大東亜戦争」という用語自体の使用を禁止しました。

この指令にもとづき、占領政策などに違反する出版物をチェックする検閲政策によって「大東亜戦争」という用語はすべて「太平洋戦争」に書き換えさせられました。

このことは、日本人が「大東亜戦争」という固有の歴史観をもつことを否定し「太平洋戦争」という「新しい歴史」観をもつことを強制したことを意味しています。
占領軍は「ウォー・ギルド・インフォメーション・プログラム」(日本人の心に戦争に対する罪悪感を植え付ける情報宣伝計画)を実施しました。この宣伝計画の最初の取り組みが真珠湾攻撃の日を意識して、昭和二十年十二月八日から始まった「太平洋戦史」の新聞各紙への連載の強要でした。

この「太平洋戦史」は、占領軍の文書によれば「戦争を開始した罪、それ以降日本人に対して歴史の真相を隠蔽(いんぺい)した罪、日本人の残虐行為、とりわけ南京とマニラでの残虐行為に関する事実を強調したもの」でした。

この「太平洋戦史」は、自国の参戦を正当化するためのプロパガンダ(宣伝文書)であり、極東国際軍事裁判(いわゆる東京裁判)がその筋書きどおりに行われたというアメリカ国務省の『平和と戦争』(一九四三年)などに基づいて書かれています。そして、満州事変から日本降伏までを「太平洋戦争」と呼びました。

この「太平洋戦史」には日本と連合国、特にアメリカとの間の戦いであった戦争を、軍国主義者と国民との間の対立にすりかえ、戦争の責任は軍国主義者にあるという考え方を宣伝しようという意図がありました。このような太平洋戦争史観が東京裁判によって固定化され「日独全体主義に対する英米民主主義の戦争」ととらえる『平和と戦争』のプロパガンダがそのまま歴史の事実であるように正当化されるに至ったのです。

明治以後の日本の歴史を一方的な「侵略戦争」と断罪する「東京裁判史観」は見直す必要があります。
(引用終わり)


ここで述べられているように、戦後の日本人は、これまでの歴史を消され、新たに占領軍が発明した歴史観を植えつけられたのです。そして、残念なことに、未だに政治家やマスコミ、いわゆる識者と呼ばれる方々の多くが東京裁判で言われた史観を根強く信仰されています。

この東京裁判において、いわゆるA級戦犯として絞首刑になった東條英機元首相は、以下のような主張をされました。前出の著書より引用します。

■「自衛戦争」と主張した東條英機元首相

一九四一年(昭和十六年)に、日本がアメリカと開戦をしたときの首相であった東條英機は、東京裁判で連合国側から最も敵視された人物でした。

それは、戦後の日本社会においても同様でした。終戦後の生活物資の乏しい中で「東條の家族には何も売りたくない」という時代が続き、東條の孫は転校した小学校ですべての教師から担任になるのを拒否されるという経験をもしました。東條は、戦後一貫して「軍国日本」の負の象徴であり続けたのです。

勝者が敗者を裁く東京裁判において、東條がどのような判決を受けるのか、その答えは、東條自身ばかりでなく、だれもがわかっていました。東條は連合国に拘束されることを潔しとせず、一度は自殺をはかっています。しかし、東條は、東京裁判において被告になるや、総理大臣としての敗戦責任を認めつつも、戦争をするにいたった日本の立場を主張し、また東京裁判のあり方などについて批判を残しています。

まず東條は、この戦争の直接の原因が、世界経済の構造的な変化によって起きた世界恐慌としました。そして、これによって、資源を持っているアメリカなどの国が、資源を持たない日本をいわゆるABCD(米、英、中、オランダ)ラインの武力包囲と経済封鎖、日本の資産の凍結、物資の禁輸などによって排除しようとしたために、窮地に追い込められた日本が、実力(武力)で資源獲得をしなければならなかった、と主張しました。東條にとって、この戦争は明確に自衛戦争であったのです。

・・・さらに、東條は世界戦争が勃発する背景には、歴史的に根深い原因があるとしながら、戦争責任を一方の指導者にかぶせ、国際法上、外交上の開戦責任を論じても、本質的な原因を究明することにはならないとして東京裁判のあり方を否定しました。

それは、東京裁判が「文明と人道」を法基準とする以上、当然それは連合国側にも及ぶべきものではないのか、というものでした。この東條の主張は、連合国側の戦争犯罪行為が追及されなかったという東京裁判の欠陥を鋭く指摘するものでした。

・・・東京裁判において、他の被告の中には自分を守るために責任のなすり合いをする者もいました。その中ではじめから死を覚悟していた東條の主張は、東京裁判では決して顧みられることのなかった日本の弁明の一つとして再考される価値があると言えるでしょう。
(引用終わり)


この東京裁判は、いかなる国際法にも、どこの国の法律にも関係なく、連合軍司令長官マッカーサー元帥の権威にもとづき、その命令によって行われたものです。
例えば、いわゆるA級戦犯は、「平和に対する罪」(共同謀議して、侵略戦争を計画・準備・開始・遂行して、世界の平和を撹乱したという罪)に問われました。しかし、当時は「侵略戦争」の定義もなく、また国家の一員として戦争を遂行することを犯罪とする国際法も存在していませんでした。つまり、「法のないところに犯罪なく、法のないところに刑罰はない」という近代法の原則=罪刑法定主義を逸脱しており、「法は遡らず」という事後法禁止の法理に反して不当に裁かれたのです。
インドのパール博士(東京裁判の判事)は、東京裁判を「儀式化された復習」と形容しましたが、まさに戦勝国による復讐劇だったのです。

ところが後年になり、マッカーサーはアメリカの上院の軍事外交合同委員会という公式の場で、東京裁判の前提であった「日本は侵略戦争をした国であった」ということを否定して、以下のようなことを述べました。

「日本は、絹産業以外には、固有の産物はほとんどなにもないのです。彼らは綿が無い、羊毛が無い、石油の産出が無い、錫が無い、ゴムが無い。・・・そしてそれら一切のものがアジアの海域には存在してゐたのです。
もし、これらの原料を断ち切られたら、一千万から一千二百万の失業者が発生するであらうことを彼らは恐れてゐいました。したがって、彼らが戦争に飛び込んでいった動機は、大部分が安全保障の必要に迫られてのことだったのです」


ここで「したがって(therefore)」と言っている内容は、東条英機が東京裁判で主張したことと同じです。つまり、マッカーサーは東京裁判史観を公式の場で否定し、東條史観に公式に乗り換えたのです。

渡部昇一氏(上智大学名誉教授)は、これを「東條=マッカーサー史観」と言われていますが、この東條=マッカーサー史観こそ世間に広め、私たち日本人は東京裁判史観から脱却すべきだと思います。

※引用著書
教科書が教えない歴史〈2〉
産経新聞ニュースサービス
発売日:2005-07



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コメント
この記事へのコメント
東京裁判
私も東京裁判についてはいい加減その不当性を認識し改めるような動きが出てきてもおかしくないのではないかと思うのですが、なかなかそういう発言をする政治家やマスコミがないことにいらだちを覚えます。今朝のテレビで民主党の松原仁議員が東京裁判の不当性や靖国神社のことで発言をしておられましたが、ゲストコメンテーターの反応は冷ややか・・・。いまだ東京裁判が正しいものだという認識から抜け出せないでいるようでした。中国人や韓国人はもってのほかでしょうけど、アメリカは原爆投下を正当化する退役軍人などまだまだ内外に敵は多いですね。靖国に参拝するのに何で外国の意見を聞くのか未だもって理解ができません。
spiralさん、東京裁判についてこれからの記事に広く知らしめていただけること、楽しみにしております。できれば私も取り上げてみようと思うのですが・・・。
2006/08/20(日) 21:29 | URL | かついち #JalddpaA[ 編集]
>田舎の神主さん

>東京裁判史観からの脱却を図るためにはどこから立て直せばよいのだろうか、と日々論考を深めて居ります。

私もそれを考えています。マスコミの報道も、政治家の発言なども、東京裁判史観に基づいたものが如何に多いことか。本当にうんざりです。

昭和天皇が、戦後の日本について、「日本が復興を果たすには三百年はかかるだろう」と仰られた、という話を聞いたことがあります。これは経済の復興のみならず、「心の復興」を果たすのに相当の時間が必要だということをお分かりになっておられての発言だと思います。

東京裁判史観から脱却し、自分たちの歴史を取り戻すのは、時間のかかることだと私も思います。

拙ブログではたいした力もありませんが、これからもこうしたことを記事にしていこうと思っています。

久しぶりに田舎の神主さんよりコメントを頂いて嬉しかったです。
2006/08/20(日) 19:05 | URL | spiral(管理人) #-[ 編集]
こんにちは。
久しぶりにじっくりとエントリを読ませて頂きました。

東京裁判史観からの脱却を図るためにはどこから立て直せばよいのだろうか、と日々論考を深めて居ります。

最近、論壇で良く取り上げられるマッカーサー史観についても、画一的に捉えるだけでなく、様々な角度からの視点が必要であろうと思います。

しかしながら

>未だに政治家やマスコミ、いわゆる識者と呼ばれる方々の多くが東京裁判で言われた史観を根強く信仰されています

こういった浅はかな見識で流される情報にもうんざりしていますが・・・。

現代において或る種の「洗脳」が完了してしまった我々日本人が、そこから脱し、もう一度自分達の頭で考え、自分達の足で立つことが出来るのか・・・。もういい加減、気付かねばなりません。

様々な情報が氾濫しているこの現状に、前述のような文脈の中で一つのカンフル剤としてspiralさんの、このブログが果たす役割は非常に大きく、有難いです。

それと横レスになりますが、
かついちさんのコメントにある
>昭和戦争って何だ?!

まさしくその通りだと感じます。
色々な意味で読売新聞には失望しました・・・。

これからも素晴らしいエントリを期待しています。
もっと色々なことを教えて下さいね。
2006/08/20(日) 17:46 | URL | 田舎の神主 #-[ 編集]
>かついちさん
読売新聞の「昭和戦争」に関する記事には、批判の声が寄せられているようです。当然ですよね。
次回の記事でも、東京裁判について触れようと思っているので、読んで下さいね。
2006/08/19(土) 14:14 | URL | spiral(管理人) #-[ 編集]
昭和戦争って何だ?!
読売新聞は甚だおかしなことを言う新聞社ですね。前々から変な解釈を持っている新聞社だと思っていましたが、大東亜戦争を「昭和戦争」などとよくぬけぬけと言えたものだと感心してしまいます。最後尾にわざわざ「昭和天皇を意識したものではなく」というようなことを持ち出しているあたり、たとえ違うと言っても、わざわざ昭和天皇を以て戦犯にでもしたいような書きっぷりです。そう思われても仕方ないような書き方だと思いました。
東京裁判の誤りは今や誰しもが認めるところであり、かつての連合国の判事でさえも「行うべきでなかった裁判」と言っています。
このような裁判が当たり前に行われるのであれば、さかのぼって欧米諸国の植民地支配こそこのような裁判で裁かれるべきだと思います。日本だけ悪者にされたままでは納得ができません。
東京裁判の最たる欠点は「事後法による裁判」であること。連合国軍の都合のいいように後で勝手に法律を作ってそれを根拠に戦争責任者を裁く。絶対にあってはならないことです。それこそ民主主義の基本原理に反することです。
2006/08/18(金) 14:18 | URL | かついち #JalddpaA[ 編集]
>コウノスケさん
東京裁判史観からの脱却こそ、今の日本の最大の課題だと思います。
これが成し遂げられた時初めて、日本は戦後復興を果たすことが出来たといえるのではないでしょうか。

>小楠さん
小楠さんの言われる通りだと私も思います。
東京裁判が、裁判の名に値しない勝者によるリンチであることが広まって欲しいですよね。
そういう意味で、小楠さんがブログに連載されている「東京裁判の正体」は、大変有意義な記事だと思います。
東京裁判については、拙ブログでもまた取り上げようと思います。
正しい認識が広がるよう、お互い頑張りましょうね!
2006/08/16(水) 18:19 | URL | spiral(管理人) #-[ 編集]
東京茶番劇場
TB有難うございます。
東京裁判を普通の裁判かのように受け、A級B、C級などと未だに口にする反日や媚中、TVで無知さを曝すコメンテーターなど。彼らは利権のためにこの史観を残したいのでしょうか。こんなものは史でもないでしょう。欧米人の悪趣味が昂じた結果の体裁のよいリンチとしか思えません。
2006/08/16(水) 10:31 | URL | 小楠 #00DmkO4s[ 編集]
>占領軍が消し去った歴史を「大東亜(だいとうあ)戦争」、発明した歴史を「太平洋戦争」と言います。

目からウロコが落ちました・・・。
恐ろしいのはウォー・ギルド・インフォメーション・プログラムが次世代に伝播してしまってる点ですね。
なによりメディアや教育者が最も強力に感染しているからタチが悪い・・・。
東京裁判史観からの脱却、その方法を模索しなくては。次世代の為に。
2006/08/16(水) 02:03 | URL | コウノスケ #-[ 編集]
>かっぱやろうさん
マッカーサー発言は、今こそ大きく取り上げて報道して欲しいですよね。そうすれば、東京裁判史観は払拭されると思います。

>かついちさん
かついちさんもこの著書を読んでいたのですね。
かついちさんの言われるように、国民は東京裁判史観から目覚めつつあると思いますが、マスコミは相変わらずですよね。読売新聞では、大東亜戦争を「昭和戦争」と呼ぼうなどという寝言を書いていましたが、マスコミの見識の低さにはあきれます。マスコミに携わる方々の意識改革こそ急がれる課題かもしれませんね。

>milestaさん
「悪質なプロパガンダです」というのは、その通りだと私も思います。
今年のこの時期も、日本のマスコミは例年通り「悪質なプロパガンダ」を垂れ流していて、うんざりしている今日この頃です。
2006/08/15(火) 13:25 | URL | spiral(管理人) #-[ 編集]
以前、政治家について同じようなことを書きましたが、マスコミはパール判事の日本無罪論とかマッカーサーが後年に考え方を変えたことなどをきちんと勉強しているのでしょうかね。
最初から「戦争肯定だ。」だとか「軍国主義礼賛だ。」などと言って、まともに読んでもいないのかな?
それとも、これまで主張してきた自説が崩れるのが怖くて見て見ぬふりをしてきたのでしょうか?
いずれにしても事実を見ようとしないのはジャーナリズムじゃありませんね。悪質なプロパガンダです。
2006/08/14(月) 12:28 | URL | milesta #S4B2tY/g[ 編集]
東條史観
私もこの本を所有しています。実際に読んでみましたが、その内容は、私が今まで教えられてきた歴史教科書の知識を根底から覆すものであったと思います。戦後日本からマッカーサーが抹殺しようとしたもの、それこそが日本の神髄であり、精神であります。マッカーサーはじめほとんどのアメリカ人は、日本の歴史が内心恨めしかったのでしょう。悠久の歴史に培われた日本人のしぶとい精神の強さに恐怖を感じて、徹底的につぶしにかかったが、昭和天皇との会談を機に、日本つぶしから日本擁護に考えが変わったように見えました。
東京裁判はいうまでもなく「事後法」によって裁かれた根拠のない不当な裁判であることは、連合国側でも認めていることなのに、未だもって目が覚めないマスコミ。よほどその洗脳がきつかったのかなと思いました。でも、もうそろそろおおかたの国民はその洗脳から目を覚まし始めてきているのに早くマスコミも気づいてほしいものです。
2006/08/14(月) 11:04 | URL | かついち #JalddpaA[ 編集]
マッカーサーの
私怨に付き合わされてたんぢゃ、
話にもなりませんねえ。

>未だに政治家やマスコミ、いわゆる識者と呼ばれる方々の多くが東京裁判で言われた史観を根強く信仰されています

これが一番問題だと思いまス。
メディアの連中、なんでマッカーサーの証言を取り上げないんだろ・・・
2006/08/14(月) 09:03 | URL | かっぱやろう #-[ 編集]
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